保育園や幼稚園で実践されているBCP対策にはどのようなものがあるのでしょうか。同じ機能を持つ施設として、実際の事例は参考になる部分が多いでしょう。予算や児童数、環境などに応じてBCP対策は変わるので、同じ規模の保育園や幼稚園が行っているBCP対策を参考にしてみてください。
これまでの訓練は避難して終わり、と形骸化してしまっていました。これまで本当の災害を経験したことがなく、パニック状態の中で責任者が迅速かつ的確に状況を判断し、実行に移せるのか、という課題がありました。
また、保育園周辺地域の危険な場所やリスクが認識できておらず、対策ができていませんでした。
BCP模擬訓練は南海トラフ地震を想定し、訓練開始時に映像を視聴。各自が実際に被災した感覚になり、次々と起こる不測の事態にどのような行動をすれば良いのかを、身をもって学びました。
約2時間の訓練プログラムを通し、実際はさらに過酷であると状況を想像でき、普段から意識しておくことの大切さを認識できました。
元自衛隊の方々が実際に体験してきた大規模災害を目の当たりにし、訓練とはいえ園児の命に直結する体験ができたと感じました。具体的かつ入念な調査のもと、現地に特化したプログラムを構成していただき、リアリティのある訓練が行えました。
避難経路の見直し、危険性の把握・確認・マニュアル化、さらに負傷者に対する救急法やAEDの取り扱いなども実際にやってみることで勉強できました。
訓練を終え、職員たちの疲労困憊ぶりから、いかに体力を消耗するかがわかりました。何気ない日々が平和で尊く感じられます。万が一の際には、残された職員で園児の命を守るために最善の判断・対応ができなければいけません。
今までも職員で危機管理対策はしてきましたが、明確な答えが見つからず手探りでした。今回の訓練では、園児のみならず、地域や他の園の子どもたちや地域の人を助けるために、BCP模擬訓練をわたしたちが発信源となり、周知していくことが重要であると認識しました。
東日本大震災で多賀城市は地域の約3分の1が浸水し、市内を襲った津波の高さは2〜4mもありました。県は新たにハザードマップを公表。最大クラスの津波が悪条件下で発生した場合、浸水区域は震災時の1.87倍。第一波の到達予想時間は約60分後と想定され、柏幼稚園・大代保育園はこの浸水想定区域に入っています。
被災地が発信する幼保施設と地域が連携して避難訓練を行いました。町内会や消防団、防災士資格保有の郵便局局長、近隣企業らが参加し、県外からも参加希望者が集まりました。「自力で避難することが難しい子どもの命を等しく守る」ことを第一に、シェイクアウト訓練と二次避難訓練を実施。
訓練当日は雨となり、シェイクアウト訓練後の二次避難を大人だけで行いました。高台にある小学校までの避難経路をたどり、危険性を確認しつつ、避難車を押す保育者をサポートするなど、実践的な訓練となりました。
サポーターとして参加した企業よりIP無線機の提供があり、先発隊と後発隊で連絡を取りあったことで、現在地や避難経路の状況把握が可能になりました。訓練後に参加者で講習会を実施。民家のブロック塀や木々の転倒、電線が切れるなどの危険性や、歩道橋や川を渡らずに済む二次避難場所についての気づきを共有しました。
地域の方に園を気にかけてもらい、一緒に訓練ができたのは大きな一歩です。わずかな距離の違いで地域差が出ることに気づき、状況に応じた避難先を判断することの大切さがわかりました。
今回の訓練では、さまざまな参加者の視点が共有されたことが実際の避難で役に立つと感じました。子どもの命を守るための備えに終わりはありません。今後も一緒に避難訓練をすることで、子どもの命を等しく守る方法を模索していきたいです。
保育園、幼稚園では子どもの命を守ることが最優先です。災害により幼い命が失われることがあってはならないと、園職員だけでなく地域でも強く認識し、日頃から災害への心構えと備えをしておく必要があります。訓練では保育園、幼稚園の関係者だけではなく、保護者や地域と連携して訓練をすることが非常に重要な意味をもちます。
下記ページでは保育園、幼稚園のBCP策定のポイントをまとめていますので、参考にしてみてください。