BCPに関係する「レジリエンス」とは、うまく適応できる能力、を意味する言葉です。ここではBCPにおけるレジリエンスの意味やレジリエンス力を高める方法、レジリエンス認証の意味を紹介します。
「レジリエンス」は、困難に直面した状況でうまく適応する能力、適応する過程、そして適応した結果を意味します。元々は物体の弾性を表している物理学の用語だったのですが、さまざまな分野や場面で使われるようになりました。
BCPでレジリエンス力を高める方法は以下の通りです。
災害時に事業を素早くしなやかに復旧、そして継続させることがレジリエンスの目的です。そのために、まずは被害規模を抑える対策をとる必要があります。
レジリエンスでは、被害を抑制する能力=対応力と呼びます。対応力を高めるためには、地震で機器が落ちないように固定する、耐震工事を行う、予防接種をするなどさまざまな準備が必要です。
被害を受けたときになるべく早く復旧できるように事前準備をすることが、レジリエンスの「復旧力」です。
社外システムへリモートアクセスできるように手順を策定する、作業員が手薄になったら他部門から業務スタッフが駆けつけてもらうように手配する、地震で建物が倒壊した場合、予備のオフィスで業務の復旧を行うなど、復旧力にもさまざまな種類があります。
レジリエンスの強化を図るため、政府はレジリエンス認証という制度を設けました。
政府が目標としているのは社会全体でのレジリエンスの強化です。しかし社会全体でレジリエンスを強化するためには、企業それぞれが努力しなくてはなりません。そこで、政府は一定の条件を満たしている企業をレジリエンス認証する制度を創設しました。
2016年2月には「国土強靭化貢献団体の認証に関するガイドライン」を制定しており、企業がレジリエンス認定を申請する際はガイドラインに基づいて審査されます。さらに一定条件を満たしていれば、認証が受けられるようになりました。
レジリエンス認証を得ることは、さまざまなメリットがあります。
認証を取得すると、広告や名刺にレジリエンス認証マークが記載できます。関わる企業や顧客に対して十分なアピールができるでしょう。
希望すると推進協議会・内閣官房国土強靭化推進室のホームページに、社名が記載されます。認証した団体として掲載・公表されるため、取引先や顧客、市場に対するアピールになるはずです。
日本政策金融公庫の「社会環境対応施設整備資金」が利用可能になるという点は大きなメリットです。中小企業が災害対策を行う際、必要な資金を調達するのに使える融資です。
以上がメリットとされている3つのポイントです。他にも、セミナー情報を受け取れる、専門家からの助言がもらえるなどのメリットもあります。