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BCP対策における非常用電源の導入と使える補助金

災害発生時による停電の長期化は、企業や医療機関の活動を直撃します。場合によっては操業停止や命に関わる危険を引き起こす可能性があるため、各企業は、停電時の電力確保に向けた具体的な対策を講じておく必要があるでしょう。

本記事では、停電時のリスクや経済的損失の実態を踏まえ、非常用電源の種類や導入時の基準、活用できる補助金制度などについて解説していきます。

非常用電源の重要性

停電が招く事業継続と生命の危機

停電が発生すると組織活動がままならず、運営に大きな損失をもたらします。特に病院や介護施設では生命維持装置や医療機器の稼働に直結するため、患者の命に関わる危険性があります。一般企業においても、生産ラインの停止や受注対応の遅れが生じる懸念があります。事故や対応が長引くことで、信用低下につながる恐れもあるでしょう。

こうした理由から、非常用電源は単なる災害備蓄品ではなく、BCP対策の中核を担う存在として位置づけられています。

電力復旧の遅延が及ぼす経済損失

大規模災害による停電は、数時間で解消する場合もあれば、数日間以上続く場合もあります。復旧が遅れれば遅れるほど、企業はシステム停止や製造ラインの中断により、経済的損失が拡大。物流や仕入れの停滞も加わり、事業再開の目途が立たない事態に陥る危険性もあります。

これらのリスクを少しでも軽減するためには、国が目安とする72時間を見据えた非常用電源の整備が不可欠となります。

災害時こそ欠かせない通信維持

災害発生時、従業員の安否確認や取引先との調整など、通信手段の確保は事業継続に欠かせない要素です。しかしながら停電時には、電話回線やインターネット回線、無線機器も使用できなくなる恐れがあるため、情報伝達の停滞により社内外の判断や対応は大幅に遅延、混乱することが予想されます。

このような事態において、非常用電源を備えていれば、通信環境を維持できる可能性が高くなり、混乱を大きく抑えることにつながります。非常用電源による通信環境の確保は、災害後の企業活動を守る基盤となります。

非常用電源の基準は72時間

内閣府では、災害時における非常用電源の稼働時間を72時間とする基準を設けています。72時間という時間の根拠は、救助活動やライフライン復旧までに想定される時間。通常、3日程度が必要とされていることから、「24時間×3日」で72時間と設定されています。

災害時、自力で電力を72時間確保できれば、企業は最低限の業務を維持し、病院や介護施設では人命に関わる機器を稼働させることが概ね可能です。非常用電源の導入時には、この基準を満たす容量や運用体制の整備が求められます。

BCP対策における非常用電源の種類

LPガス発電機

LPガス発電機は、ガスボンベやバルク貯槽を利用して発電できる仕組みの発電機。ガソリンや軽油と異なり燃料の長期保存が可能な点、災害時にも燃料の確保が比較的しやすい点などが特徴です。排ガスが少ないため、環境面でも優れた発電システムと言えるでしょう。

ただし、発電能力は大型ディーゼル機に比べると小さいため、中小規模の事業所や施設には導入しやすい反面、大規模施設の全館稼働には不向き。用途や必要電力量に合わせて活用しましょう。

ディーゼル発電機

非常用電源として最も広く普及しているタイプです。大規模な出力が可能なので、工場や病院などの基幹施設でも安定した電力供給を実現できます。比較的入手しやすい軽油が燃料であること、起動が迅速で緊急時に頼れることなどがディーゼル発電機の強みでしょう。

一方で稼働時の排ガスや騒音が大きいほか、長期保管時には燃料劣化のリスクは避けられません。定期的なメンテナンスや燃料の入れ替えを怠らないことが運用のポイントです。

蓄電池(医療用・産業用)

蓄電池とは、電気をためて供給できる装置一般のこと。日常での活用に加え、停電発生時にも瞬時に電力を供給できる点が大きな強みとなります。病院の医療機器や企業のサーバーなど、電源断が許されない精密機器の保護にも適した電力供給減です。排ガスや騒音がなく、環境負荷が小さい点もメリットと言えるでしょう。

ただし設置には広いスペースが必要となる場合があること、大容量タイプは導入コストが高額になることが挙げられます。用途や必要容量を見極めた機種選定が求められます。

太陽光発電

太陽光発電は、自然エネルギーで電力を確保できる一手段。基本的に、平時でも災害時でも電力供給減としての利用が可能で、かつ環境保護やSDGsの貢献という点でも注目されています。昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておき、夜間や天候不良時に活用することも可能です。

ただし、発電量は日照条件に左右されるため、単独での利用は安定性に欠けます。ディーゼルや蓄電池など他の主要電源を補完する、という位置づけになるでしょう。

コージェネレーション

コージェネレーションとは、発電時に生じる排熱を給湯や空調に利用できるシステムのこと。電気と熱を同時に確保できるためエネルギー効率が高く、平常時のランニングコスト削減にもつながります。災害時には照明や通信に必要な電力を確保しつつ、暖房や給湯といった生活機能も維持できる点が大きな利点となるでしょう。

ただし初期投資が高額で、かつ、機器を維持するためには専門的なメンテナンスが不可欠です。導入規模やコストを考慮した上で選択する必要があります。

非常用電源の導入に使える補助金

災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金

災害発生時には、非常用発電機を動かす燃料の確保が大きな課題。そこで国は、病院や福祉施設など社会的重要インフラを担う施設が自主的に燃料を備蓄できるよう支援するため、補助金制度を用意しています。

補助金の対象は、燃料タンクや供給設備の設置、および備蓄体制の整備にかかる費用です。安定した燃料供給を可能とし、長期停電下でも継続的に非常用電源を稼働させることができるよう国が後押ししています。

BCP実践促進助成

東京都の助成制度で、BCPの実戦に取り組む中小企業に対し、非常用電源の導入や耐震補強、情報セキュリティシステムの整備など、事業継続に直結する幅広い取り組みに対して助成する制度です。

助成を受けるには、事前にBCP計画を策定していることが前提で、作成した計画を実際の施策に落とし込んだ企業を支援します。

石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金

災害時のガス供給途絶を防ぐため、LPガスのバルク貯槽や供給システムの導入を支援する補助金制度です。主に病院や公共施設が対象で、非常用発電機に安定した燃料を供給できるようにすることを目的としています。

制度名 助成金額補助率 応募条件(主な要件) 募集期間
石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金(自律的燃料備蓄補助金) 【上限額】
①LPガス容器+供給設備のみ:1,000万円
②①+LPガス機器(発電機等を除く):3,000万円
③①+発電機(コジェネ含む)+空調:5,000万円

【補助率】
中小企業者:2/3以内
それ以外:1/2以内
【対象施設】
①避難困難者が多数生じる施設
②公的避難所
③一時避難所(年度限定)

【備蓄要件】
LPガス/石油とも「3日以上」稼働に必要な備蓄量を確保

【その他】
バルクのみ申請は既設LPガス消費設備があること/タンクのみ申請は既設燃焼機器があること、等
年度ごとに数回

※募集期間は年度ごとに設定されています。最新の詳細は公式募集要領をご確認ください。

参照元:令和6年度補正・令和7年度自衛的燃料備蓄補助金 (https://saigaibulk.net/submission/index.html)