安否確認システムとは、災害が起きたときなどに従業員の安否が確認できるシステムのことをいいます。安否確認システムに搭載されている機能の代表例は、一斉メール送信機能や、回答の自動集計機能、掲示板機能などです。
企業が従業員の安否確認を行う目的は、企業が災害により被害を受けたときに、早期に事業を復旧させることです。BCPの初動対応として、従業員の安否確認は最優先で行うべき事項となります。
被災して事業が停止してしまったとしても、従業員の安否を迅速に確認できれば、連絡が取れた従業員で協力して事業の復旧計画を立てることが可能です。さらに、BCPが適用される大規模な災害以外にも、台風や停電などによって従業員が業務に従事できない場合、安否確認をスピーディーに行うことで通常業務の早期回復を図ることができます。
安否確認の方法は、メールや通話が代表的なものです。しかしながら、安否確認の確実性を上げ、管理者の負担を下げる方法として、安否確認システムの導入が着目されています。
安否確認システムを導入するメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
メリットの1つ目は、従業員の安否をすぐに確認できることです。メールやSNSなどで個別に連絡をとる必要がなく、安否確認に特化したツールを利用して迅速に従業員の安否を確認できます。
メリットの2つ目は、管理者がトラブル対応を優先できることです。安否確認システムにより従業員一人ひとりと連絡する手間を省き、インフラの復旧や業務再開などのトラブル対応を優先することができます。
メリットの3つ目は、災害発生時以外にも活用できることです。たとえば、従業員の体温や体調を把握するアンケート集計機能が搭載されているシステムもあり、感染症対策も臨機応変に行うことができます。
BCP対策を検討する際には、BCPを作成するだけではなく、安否確認システムや設備などの導入・整備を考えることも重要です。安否確認システムの試用や運用訓練などを通じて、災害が起きたとき実際に活用できるBCPを目指しましょう。