もし災害が発生した場合、それぞれの企業ではできるだけ早く業務を再開できるように防災対策に取り組んでおくことが大切ですが、そのためにはさまざまな設備などを揃える必要があります。そこでこちらの記事では、防災対策にあたって活用できる支援制度や助成金、補助金についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
災害が発生した際、事業継続の観点から防災に関する施設などの整備に取り組む中小企業者を支援するための制度です。例えば、施設の耐震のための設備やデータをバックアップするためのサーバ、発電機など早期復旧を行うための設備導入に関する費用の融資を行います。
こちらの制度は、日本政策金融公庫(中小企業事業)によって実施されており、対象は「事業継続力強化計画」または「連携事業継続力強化計画」を策定し、国から認定を受けている中小企業者です。また、こちらの制度における貸付限度額は下記の通り定められています。
中小企業防災・減災投資促進税制は、経済産業大臣より事業継続力経過計画または連携事業継続力強化計画の認定を受けた中小事業者を対象とした制度です。「事業継続力経過計画」とは、自社の災害リスクを認識し、防災・災害対策に取り組むために必要な項目が盛り込まれた、災害対策などを記載したものです。
上記の計画の認定を受けた日から同日以後1年を経過する日までに、計画に記載されている対象設備の取得等を行い、事業に使用した場合に制度の対象となります。その場合、特別償却18%の税制措置を受けられます。(2025年4月1日以降に取得等する対象設備は特別償却16%)
地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金は厚生労働省により行われている制度で、介護施設などにおける防災や減災対策を推進するための改修・整備などについて、予算の範囲内で補助を行う制度です。
対象となる設備は、給水設備やスプリンクラーの整備、ブロック塀の改修などが該当し、補助率は補助対象経費のうち事業者負担が1/4、または事業者負担なしと定められています。
こちらの交付金に関する問い合わせ先は、各自治体となりますが、下記の通り施設の定員によって異なります。
自然災害や大災害、感染症など不測の事態が発生した場合、中小企業などが事業継続できるようにBCPの取り組みを支援するための助成金です。策定したBCPを実施するための設備等を導入する際に必要な経費の一部が助成されます。
同制度で対象となるものには、自家発電装置や蓄電池、安否確認システム、感染症対策の物品などのほか、非常食や簡易トイレ、毛布、書棚の転倒防止グッズなども含まれています。対象は主に関東(東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨)となっており、助成される金額は1,500万円が上限です(助成率は中小企業者で1/2、小規模事業者で2/3以内)。
中小企業庁の監督のもとで運用されているIT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の労働生産性向上を目的として、業務効率化やDXに向けたITツールの導入を支援することを目的とした補助金です。この制度では、事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開されているITツールが対象となります(ソフトウェア購入費やクラウド利用費、導入関連費などが対象)。
また、こちらの制度では「通常枠」や「インボイス枠」など5つの申請枠がありますが、それぞれの枠で補助額や対象となるITツールの種類が決まっているなどの違いがあります。ただし、いずれの枠でも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、「SECURITY ACTION」の実施が必須となります。
2024年度の場合、補助額は最大で450万円となっており、補助率は通常枠が1/2以内、インボイス枠は1/2~4/5です。
IT導入補助金の申請を行う場合には、IT導入支援者のサポートを受けた上での交付申請が必要となります。
参考URL:IT導入補助金2024
(https://it-shien.smrj.go.jp)