BCP対策において、災害時の電力供給方法を確保しておくことは、とても重要なものとされています。産業用蓄電池を導入して日ごろから電気を貯めておける仕組みを整えておけば、緊急時に電力が確保でき、停電していても事業活動が継続できます。早期に事業復旧に向けた対応ができた場合、取引先からの信頼が得られるでしょう。
ここではBCP対策における電源確保の重要性と蓄電池の役割、太陽光発電と併用するメリットを見ていきます。
大規模な災害が発生した際、まず考えられるのはライフラインが途絶えることです。ライフラインには電気・水道・ガスといった3つがありますが、電気は早く復旧しやすいですが、それでも1週間ほどは時間がかかります。また電力供給設備が倒壊すると、2~3週間ほどかかるケースもあります。
電気が使えなくなれば電源が必要となる設備や機器が使用できなくなり、通信手段の制限もあり得ます。業務を継続したくても、電気がなければ業務継続は不可能になるため、電気が使えるように非常用電源確保を準備しておく必要があるでしょう。
蓄電池にはさまざまな役割があります。
蓄電池の主となる機能は、電気を貯めることです。太陽光発電をはじめとしてさまざまな電源から作った電気は、蓄電池で貯められます。
ピークカットとは、使用電力が多い時間帯に使用する電力を削減することです。蓄電池に貯めた電気を、電気をより多く使う時間帯に使用すれば電力単価が高い時間帯の電気代が削減できます。
蓄電池に貯めておいた電気は、災害時・停電時などの非常事態に使うことができます。この役割が、BCP対策で蓄電池が注目されている理由です。オフィスの停電が起こると業務を継続したくてもできなくなります。非常事態でも電気が使えることは、BCP対策においてとても大切な意味を持ちます。
蓄電池は、太陽光発電と併用することでより効果的に機能します。
蓄電池だけだと、貯めていた電気を使い果たしてしまえば電気が使えなくなります。また太陽光発電だけだと、電気を蓄える機能がないため、太陽が出てない間は発電ができず電気が使えないでしょう。
どちらのデメリットも補えるのは、蓄電池と太陽光発電を併用する方法です。昼間に太陽光で発電した電気を蓄電池で貯めておけば、夜間も電気が使えます。また蓄電池に貯めた電気を使ってもまた太陽光で貯められるため、長時間の停電でも電力の確保が可能です。
太陽光発電と蓄電池を併用すると、太陽光発電で昼間の電力が賄え、夜も蓄電池に貯めた電力を優先的に使用できるため、電気料金が削減できます。結果として、企業の経営コストの削減につながるでしょう。