さまざまなリスクに備えたいと考えている企業におすすめなのが、オールハザード型BCPです。従来のBCPとはどのように違うのか、どういった策定をすれば良いのかなどについて解説します。
オールハザードとは、すべての機器、さまざまな危機事象のことをいい、オールハザード型BCPとはどのような危機でも利用できるBCPのことです。
将来的に、企業がどういった危機に直面することになるかは予想ができません。例えば、BCPに取り組んでいた企業でも、急速に感染拡大した新型コロナウイルスの影響を大きく受けてしまったケースがあるでしょう。
一方、オールハザード型BCPでは、思いもよらない危機の対策ができます。
従来型のBCPはリスクごとに原因などを設定して対応策を考えていたのに対し、どのようなリスクにも対応できるように備えるのがオールハザード型BCPです。
従来のBCPでは、十分にリスクを考慮して備えておいた危機に対する効果は高いのですが、それ以外のものについては十分な対処ができない可能性があります。ですが、オールハザード型BCPであれば、予測できなかったようなリスクにも対応できるようになります。
従来のBCPで着目するのは発生事象であり、その発生事象に備えるための整備を行うのが特徴です。一方、オールハザード型BCPでは結果そのものに着目し、危機に直面した際のために備えます。
実際にオールハザード型のBCPを実践していきたいと考えた場合、どのように取り組んでいけば良いのでしょうか。
策定の流れの一例は、以下の通りとなります。
基本方針として考えておかなければならないことから測定していきます。例えば、BCP策定はどの部署が中心となって行っていくのか、何を実現するためのBCPを策定するのかなどは、本格的に取り組む前に考えておきましょう。
続いて緊急時にも継続して行わなければならない業務や、早期復旧すべき重要業務を明らかにします。リスク分析を行い、業務継続・早期復旧のために必要な対策をまとめましょう。
BCPを策定したらそれで終わりではなく、実現のための練習や訓練を行うことも欠かせません。実際に危機に直面した際にすぐに取り組めるように、普段から理解を深めておくことが重要です。
場合によっては緊急時のためのマニュアルをまとめておくのも一つの方法です。将来起こる可能性のある危機を想定した演習・訓練を繰り返し重視することにより、対応力が高まります。
なお、すでに従来型のBCPを実践している企業の場合、すべてリセットするのではなく、追加でオールハザード型BCPのための取り組みを行うことをおすすめします。BCP策定において見直しが必要と感じる部分がある場合は、ブラッシュアップに取り込むことも重要です。