SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」とされます。
2030年までに持続できるよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール、169のターゲットから構成されます。世界の環境問題、貧困、飢餓、人権、差別などの課題を、世界中で取り組み解決していこうとするものですが、国だけで達成することは困難です。そこで各自治体や企業、各人が積極的に取り組むことが求められています。
「グローバル指標11」に掲げられるのが「住み続けられるまちづくりを」というゴールです。
具体的には以下の2点。
これを実現するためには、各企業がBCP対策として行っている防災が有益となります。BCPでは災害が起こっても重要な事業を中断させず、中断しても可能な限り短時間で復旧させることを目標としています。
そのため自社ビルの耐震性を高めて従業員を守ること、事業継続のための対策を講じることが、SDGsの目標とするゴールとマッチするのです。
「グローバル指標13」のゴールが「気候変動に具体的な対策を」。具体的に企業が行うべきは、地球温暖化などの影響による台風や水害に対する準備や補強を行うことです。
まずは自社ビルの周辺の地形や状況をよく把握し、ハザードマップで避難場所や行動について従業員に徹底することでしょう。
さらに側溝や排水口があれば定期的に点検し、止水板や土嚢を準備したり、補強したりすることで、BCP対策がSDGsへの関連性を深めます。
港湾地区という環境のため、すべての災害を想定したBCPを作成し、従業員全員へeラーニングにてBCP教育を実施しています。
さらに社内全拠点ごとに緊急連絡先や復旧までの拠点・システムなどが明記された「防災・BCPシート」を作成・設置しています。
本社ビルは免震・制振構造のビルであり、予備電源2回線受電、バックアップ発電、重油発電が設置。主要拠点では電力確保用大型バッテリーを、全拠点では非常用備蓄品を整備し、AEDの講習会など備えを行っています。
大和ハウス佐賀ビルでは、再生可能エネルギーによる電力自給の取り組みを行っています。自然換気や井水、太陽熱を活用した空調システム、自然光を活用した照明などによって徹底的な省エネを行い、約52%の電力使用量の削減に成功。SDGsに沿ったCO2の削減にも貢献しています。
約52%電力削減をしても、ビル内部の明るさや室温に問題はなく、従業員らも我慢しているのではないということです。
また太陽光発電システムと蓄電池を連携させた「電力自立システム」により、営業中の使用電力を自給することを目指しています。これにより、万が一地震などが発生しても電力を自給でき、事業継続可能となります。
紹介してきたように、企業が「BCP=事業継続計画」を考えることで、そのままSDGsの目標達成にも貢献できることがわかります。
自然災害や不慮の事故がいつ起こるかわかりません。また災害が起こってから備えるのでは遅く、日頃からBCPの策定を考え、実施することが必要です。