\BCPのプロに無料相談/ 防災設備からマニュアル作成・補助金のことまで、BCPのプロにまるごと相談してみよう
プロが教える 現場のためのBCP対策【BCPP】 » BCP対策とは » BCPにおける
想定リスクの洗い出し

BCPにおける
想定リスクの洗い出し

BCPの策定に当たっては、企業独自の想定リスクを洗い出し、分析、具体的に備えを強化することが大切です。特に事業継続に多大な影響を与える災害リスクへの備えは重要。リスクを洗い出す際のポイントやリスクの種類、視点にそった分析、備えの強化などについて解説します。

目次

なぜリスクの洗い出しが
必要なのか

リスクにはさまざまな種類があり、影響度や発生可能性などによってリスクの大きさ、重要性も異なります。BCP策定に際しては、企業、病院、介護施設などにおいて独自の対策が図られるよう、事前にリスクを洗い出しておくことが必要です。しかし、初めてBCPに取り組む際には、企業などで想定しなければならないリスクを十分に洗い出せない状況もみられます。

リスク洗い出しの3つのポイント

リスクの洗い出しを担当者任せにすると、洗い出しておかなければならないリスクの想定が不十分で、的確なリスク対策ができなくなる可能性があります。そのため、以下の3つのポイントにそってリスクを洗い出しましょう。

リスクの種類

災害リスク

地震や水害などの自然災害、感染症や有害物質漏洩などによる特殊災害、交通事故などの人為的災害。

人的リスク

コンピュータの入力ミスや機械のオペレーションミス、受注ミスや誤配送、クレーム対応の失敗など。

労務リスク

人材の過不足、長時間労働や各種ハラスメント、人権侵害や雇用差別、情報流出や労使紛争、ストライキなど。

経営リスク

経営判断ミスによる業績悪化、強力な協業企業の参入、有能な人材の流出、事業難航など。

法務リスク

知的財産権の侵害および被侵害、虚偽申告、優越的地位の乱用や景品表示法違反、製造物責任(PL)など。

財務リスク

資金繰りの悪化や金利・為替・株価の変動、取引先倒産に伴う貸し倒れなど。

参照元:FASTALERT_BCPにおける主なリスクの一覧と十分に洗い出せない原因(https://fastalert.jp/column/bcp-counterplan/bcp-risk-list)
参照元:みんなのBCP_自然災害だけではない! BCPを正しく導く「リスクマップ」作成のススメ(https://bcp-manual.com/bcp/develop/about-riskmap/)

災害リスクへの備えは
極めて重要

さまざまなリスクがあるなかで、災害リスクへのBCP対策は特に重要です。大規模災害は、ライフラインやインフラが寸断され、長期間にわたる停電や断水、物流や外部との連絡が停止し、事業に多大な影響を与えることになります。復旧までの時間をいかに短くできるかとともに、災害下であっても必要最低限の業務を継続できるような備えが必要です

拠点地域に伴う災害リスクのチェック

災害時、事業をメインに展開する拠点地域に伴う災害リスクを事前にチェックしておくことが必要です。チェックポイントは、過去にその種の災害が発生したか、将来発生の可能性が高いか。主な災害リスクは以下の通りです。

参考書籍:見るみる BCP・事業継続マネジメント・ISO22301「イラストとワークショップで事業継続計画の策定、運用、復旧、改善の要点を理解」p26(深田博史:寺田和正共著/日本規格協会)

5つの視点で備えを分析、強化する

拠点地域における災害リスクをチェック後、次のステップは災害が実際に発生した非常時の備えを分析し強化することです。ここでは、「業績・インフラ・サプライチェーン・ICT・パンデミック関連」の5つの視点を基に、分析・強化を図ります

業績面

業務をリストアップして、平常時、非常時の業務優先順位を確定する。その際、非常時には勤務者が大幅に減り、人的リソースが不足することを考慮して強化を図る。

インフラ(建物、設備等)

施設・設備、インフラなどをリストアップし、想定されるリスクシナリオから被害を分析。非常時には備えが不足することを明確にして備えを強化する。

サプライチェーン

事業継続に直接影響するサプライチェーン(調達先や外部委託先、物流やサービスなどの外部組織)の被災リスクや備えに関する情報を収集、調査し分析。事前に外部組織と打ち合わせを行うことで不足している備えを強化する。

ICT(情報通信技術)

ICTに関するリストアップを行い、被害を分析。サーバーやクラウドサービス、PCやデータ、ネットワークなどの備えの不足を強化する。

パンデミック関連

感染症の世界的な大流行など、従業員や関係先スタッフの健康を損なうパンデミックが生じた際の被害を分析。非常時に不足する備えを明確にして強化する。

参考書籍:見るみる BCP・事業継続マネジメント・ISO22301「イラストとワークショップで事業継続計画の策定、運用、復旧、改善の要点を理解」p27~30(深田博史:寺田和正共著/日本規格協会)

プロフェッショナルが
語るBCPの想定リスク

設備のプロ

池田商会・池田道雄

池田道雄

池田商会

対策立案と運用で連携を

BCPにおける想定リスクは、まずは、設備のことは度外視して、大規模災害時に早期に事業復帰をして獲得できる企業付加価値を踏まえてリスクを洗い出します。そして、上記リスクを踏まえて、対策チームと設備管理担当者が連携して設備選定を行うことが重要です。
企業の組織構造上、BCP対策立案と設備管理、運用はセクションが分かれており、連携が非常に難しいです。
学校改修工事の担当者である学校教育課が単独で設備選定を行って、総務課が立案したBCPからかけ離れた設備選定をしてしまい、実際に運用する学校や役所職員、地域住民が使えず現場が大混乱になったという事例は、実は非常に多いのです。

プロフィール

BCPマニュアル策定、BCP設備設計、設備供給、施工管理、補助金申請代行を一括して引き受ける。非常用電源においては、災害時に少なくとも72時間以上の持続可能なエネルギー供給対策を考案・提供。

  • 福岡県田川郡福智町金田660-3【全国対応】
  • TEL 0947-22-0366 月〜土9:00~18:00

防災のプロ

株式会社かんがえる防災代表髙木 敏行

髙木 敏行

(株)かんがえる防災

業種・業務が変われば備える優先順位が変わる

災害対策は職員間のイメージを統一させる事が重要です。
つまりは企業にとっての最悪は何か?ここを理解していなければ、何を防ぎ、何を予防すべきなのか明確になりません。
企業によって業種が違います。業種が違うことで起こりうる災害リスクが変わります。
例えば危険物施設では火災発生を予防する必要が出てきます。業種・業務が変われば備える優先順位が変わります。
今後、自然災害は複合的に発生する可能性が高くなります。
現実的には防災専門家が社内にいないことで、複合的に発生する災害リスクのイメージが湧かない企業が多いと感じています。

プロフィール

元消防士であり、防災資格を3種持つ(防災士【登録No.136593】、防災危機管理者【認定番号.190805】、危機管理士2級(自然災害)【登録番号N-19014】)防災のエキスパート。
災害によって失われる、人、物、時間、思い出への被害を軽減するために、必要な物を必要な形で提供するプロ。

  • 福岡県福岡市博多区博多駅前四丁目27-5博多ステーションタワー302【全国対応】
  • TEL 092-710-5963

BCP対策の基礎知識
をもっと見る