BCPを策定するにあたり、マニュアルを自社で作成できるツールは数多くあります。ただ、自社で作成しているだけに、そのマニュアルが適切であるかどうか、機能するか不安に感じる担当者の方もいるのではないでしょうか。ここでは、作成したBCPマニュアルの見直しを行いたい際に利用できる添削サービスや自力でできる添削のポイントを紹介しています。
残念ながら「添削」だけを提供しているサービスは見つかりませんでした。ただ、セミナーやコンサル会社では一から作成、見直し、実践できるところまでアドバイスを受けることができます。セミナーやコンサル会社ではどのようなサービスを提供しているのか、「添削」に焦点をあてて紹介します。
BCPに関するセミナーや研修は、企業や社会福祉法人をはじめ、自治体でも行われています。
セミナーや研修、ときにはワークショップや講座など、講師やアドバイザーからBCPの目的や役割について学ぶことができます。その後、参加者が記入事例をもとに実際にマニュアルを作成。作成したマニュアルを、最後に講師やアドバイザーが添削し、セミナーや研修が終了するといったパターンが多いようです。回数は1回で完結するものから複数回、一定の期間、セミナーや研修を受けるものなどがあります。自治体であれば無料で行っていることもあるため、気になる方は自治体のイベント情報をご確認ください。
コンサル会社や専門家に依頼をすると料金こそ高い傾向にありますが、作成の段階から細やかなアドバイスを受けることができ、作成後のマニュアルに対して本当に実装できる内容か、災害時にきちんと機能するか、自社に定着するところまでサポートを受けることができます。
BCPの教育も関係する部署ごとに行うことができたり、机上訓練も実施されます。机上訓練では、BCPの確認や検証を行うために災害発生のシナリオを作成し、それに対してどのように対処すべきかを参加者同士でシミュレーションします。
BCPマニュアルを作成について、それぞれの方法におけるメリット・デメリットを紹介します。
BCPマニュアルを自社で作成することは、コストを抑えられるメリットがあります。ここで注意しておきたいのが、一般的な防災マニュアルのひな形を部分的に書き換えたマニュアルでは、自社の実態に合わない可能性がある点です。 従業員数や立地条件、保有する設備は、企業ごとに大きく異なります。そのため、一部を修正するだけでは有事に機能するマニュアルにならない可能性があります。
セミナーは自治体によって無料で行われているほか、企業や社会福祉法人により、比較的に手頃な料金で開催されています。期間も短いため参加しやすいのがメリットと言えるでしょう。
一方でセミナーのデメリットとして挙げられるのが、いつでも開催されているわけではないという点です。定期的に行われているセミナーもあるにはありますが、タイミングを逃すと参加できないこともしばしばあります。また、いつ開催されるか、都度情報を追う必要があるでしょう。単発、短期間で参加できる手軽さに魅力がある反面、作成後のBCPマニュアルを運用する際に課題がのこりがちです。
コンサル会社に相談しながらBCPマニュアルを作成した場合には、総合的なサポートが受けられるメリットがあります。添削をはじめ、自社において特にサポートが必要な側面からコンサルに入ってもらったり、アドバイスをもらったりする方法もあります。
ただし、コンサル会社とひと口に言ってもBCPを専門に扱っているところもあれば、大手の総合コンサル会社までさまざまです。
デメリットとしてはコストがかかることでしょう。作成から添削まで手厚いサポートが受けられる反面、コンサル会社によっては費用が高額になるため、自社の規模や予算に合わせたコンサル会社選びがポイントになります。
自社でBCPマニュアルを作成した際、下記のポイントが明確になっているか添削時チェックしてみてください。
BCPマニュアルを作成する前にまず責任者と代行者を明確にしなければなりません。非常時にはBCPマニュアルに沿い、基本的にトップダウンで意思の決定と伝達が行われます。このとき、責任者の指名がされていないと誰の指示を優先すべきか判断に迷うことになってしまいます。現場はさらに混乱します。そうならためにも責任者は通常、企業のトップが務める方が良いと言えます。BCPマニュアルを作成した担当者がイコール責任者ではないので注意しましょう。また、何らかの事情でトップの指示を仰げない場合に備え、代行者を決めておくことも大切です。
代替え拠点もまたBCPマニュアルに明記すべきポイントです。災害時には拠点が使用不可能なケースも想定しなければなりません。その場合、仮の拠点をどこにするのか予め決めておく必要があります。仮の拠点を確保しておけば、いざというときにも業務の継続が可能です。
また、これはオフィスや事務所などの話だけではなく、さまざまな基幹業務もクラウド型にしておくことで、拠点をどこに移しても事業を継続できるようになります。
BCPを作成する際は、非常時においてマニュアルに沿って行動する要員と、その体制も予め決めておかなくてはなりません。基本的に要員は社内でそろえ、またその要員にも代替え要員が必要です。病気やケガで要員が休んでいるときであっても、BCPマニュアルに沿って非常事態に対応し、事業の継続ができるよう引き継ぎなど記載しておくことが大切です。
特定の人だけがBCPマニュアルの内容を知っているようでは、いざというときに真価を発揮できません。BCPマニュアルの情報共有は、いかなる事態においても事業継続をできるかどうかの重要なカギを握っています。責任者や代行者が誰なのか、仮の拠点がどこか、要員と代替え要員がどこにいるのか、従業員全員が把握している必要があります。いつ起こるかわからない災害やトラブルに備え、BCPマニュアルは広く認知されるよう積極的に情報共有しておきましょう。
BCPマニュアルが完成したら、次は訓練を実施します。訓練では地震・火災・不審者の侵入やサイバー攻撃など、起こり得る非常事態のシナリオを決めて行うケースが多いです。
訓練には、机上訓練と実動訓練があります。
机上訓練はBCPマニュアルに記載された要員・責任者・代行者などが一室に集まり、ホワイトボードなどを用いて非常時の流れとそのときの対応を確認します。
実動訓練では社員がBCPマニュアルに沿って実際に避難訓練を行ったり、要員が移動訓練を行うなどを実施します。
BCPマニュアルは常に情報を更新しておく必要があります。訓練を実施した際にマニュアル通りに行かないところがあれば、その都度、内容をアップデートしましょう。
BCPマニュアルは自社の実態に合致していることが基本です。そのため、インターネットで入手したひな形を一部だけ変更したマニュアルでは、実際の災害時に十分機能するとは言い切れません。
社員数や拠点の立地、業種、施設や設備の構成は企業ごとに異なるもの。想定すべきリスクも、社会情勢や環境の変化に応じて絶えず変化していきます。
本当に機能するマニュアルとは、組織の防災診断を実施した上で、必要な対策や他機関との協力体制まで落とし込んだ自社専用のマニュアルです。こうした設計や定期的な見直しには、BCP専門家の知見を取り入れることをおすすめします。
以下のページでは、BCP対策においてコンサルタントに依頼すべきかを詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。